2011年9月28日水曜日

乱読のすすめ8―大江健三郎「読む人間」




   本を読むことは、一人ひとりの人生にとっては、どういう意味をもつのでしょうか。

   大江健三郎さんは近著「読む人間」(集英社文庫)のなかで、つぎのように語っています。

2011年9月24日土曜日

絵本のすすめ5-バスラの図書館員




          「コーランのなかで、神が、最初にムハンマドに言ったことは、
          『読みなさい』ということでした」

  「バスラの図書館員」は、実話にもとづく絵本です。

   バスラはイラク最大の港町であり、文化的中心都市です。その町の図書館員であるアリア・ムハンマド・バクルさんは、本は黄金の山より価値があると信じています。そこには「私たちの歴史が全部つまっている」からです。

   戦争の影が忍びよってくるのを感じて、バクルさんは政府に本を安全な場所にうつしてほしいと訴えますが、聞き入れてもらえませんでした。

2011年9月17日土曜日

乱読のすすめ7-歌も物語もない

石巻市内(4月撮影)












  民俗学者の赤坂憲男さんの「東北再生」(共著)は、東日本大震災を経験した私たちが、今後の東北だけでなく、未来の日本社会をどう描いていくのかを考えるうえで、多くのヒントをあたえてくれます。

   東北は、かつては「日本国」に兵士と労働力を供給し、近年は製造部品と電力を供給してきた。赤坂さんは、そういう東北の地を、あえて「植民地だった」とし、これからの東北ありかた、自立とはなにかを問いかけます。

  赤坂さんは「原発は、炭鉱とちがって、地域に歌も物語も生まなかった」といいます(「朝日」9月10日付)。

2011年9月15日木曜日

おとなの責任

「12の贈り物」(シャーリー・コンスタンゾ作、
黒井健 絵)















   3月12日、東京電力福島第1原発で爆発がおきたとき、原発から十数キロのところを車で移動していました。被災地調査のため早朝に東京を出発し、午後にいわき市の避難所をたずねたあと、北上していたときのことでした。
  車の窓をしめ、ラジオを聞きながら逃げました。目に見えない放射能の恐ろしさを身をもって実感しました。

   のどかで美しい福島県に、いま放射能汚染という暗雲がたれこめています。

2011年9月13日火曜日

乱読のすすめ6-金子みすゞ「大漁」

若き日の金子みすゞさん










  「サンマの煙」を読んでいて、ふと、金子みすゞさんの詩をおもいだしました。
これも一枚のきれいな絵をみるような名作です。

2011年9月12日月曜日

乱読のすすめ5-重松清「季節風」




  いまから10年少しまえ、中学生の次男が学校でいじめにあっていたとき、重松清さんの小説「ナイフ」(坪田譲治文学賞受賞)を読みました。いじめに遭遇した子どもとその父親のくるしみをえがいた作品です。父親としてなにをすべきか、教えられました。

   重松さんの小説は、どれも孤独で絶望的なたたかいをつづける人々をいとおしむ視点がつらぬかれていて、重いテーマでも清々しい読後感があります。

2011年9月10日土曜日

花はなぜうつくしいか

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、花言葉は「情熱」












    宮城県塩釜市の市長選挙に立候補した天下(あました)みゆきさん。
    結果は残念でしたが、明るい笑顔と市民のくらしをおもうまっすぐな訴えが素晴らしかった。
   他党のくたびれた、名前の連呼しかできない男性候補にくらべ、だんぜん輝いていました。

   いま、どの分野でも女性、とくに中高年の女性が元気です。
  前をむいてがんばる女性、すべてに贈りたい、八木重吉のたった二行の詩。