2011年11月27日日曜日

絵本のすすめ17-「たかこ」

童心社










      金子みすゞ 「わたしと小鳥とすずと」

   わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、
   とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。

   わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、
   あの鳴るすずはわたしのように たくさんのうたは知らないよ。

   すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。



    そうはいっても、ぼくのクラスにやってきた、てんこうせいの「たかこ」は、ちがいすぎるのだ


   あるひ たかこが ねむそうに がっこうに きた
   「どうしたの?」
   「ものがたりを えたり。 ひるはひぐらし よるは  めのさめたる かぎり、
    ともしびを ちかく ともして はしる はしる これを みるより ほかのことなし」

   平安絵巻からとびだしてきたような、いとをかしい「たかこ」…はたして、クラスのみんなとうまくやれるのか。

  どうせ人とちがうなら、思いきってちがうべし。
 「たかこ」(清水真裕・文、青山友美・絵)は、笑って、こころがなごんで、爽快になる絵本です。