2011年12月5日月曜日

稲盛さん、えらそういうまえに、税金払ってください













   きのう、東京駅の書店で山積みになっていた新刊本の「利他」(稲盛和夫、瀬戸内寂聴)を、ざっと立ち読みして、ひとこといいたくなりました。

   「稲盛さん、えらそういうまえに、税金払ってください」 と。


   11月29日の参院財政金融委員会であきらかにしましたが、京セラの稲盛和夫名誉会長ら上場企業の大株主が、株を売却して「税逃れ」をおこなっているのです。

   民主党政権は、今年6月、「証券優遇税制」を延長しました。「証券優遇税制」というのは、株の取引きにかかわる税率を、本来20%なのに10%におまけしてあげる特別措置で、大金持ち優遇の最たるものです。わが党は痛烈に批判、反対しましたが、自民、公明なども賛成して、延長してしまったのです。

   ただ財務省は、大金持ち優遇という批判を気にして、保有株式の割合が3%をこえる大口株主については、総合課税で高い税金をとるようにする改正を同時におこないました。これによって、いままで3%以上~5%未満の株を保有していた大口株主は増税になるはずでした。

   ところが、さすが大金持ちさんはケチ。それならばということで、わざわざ株を売却して3%未満の保有にし、課税逃れをおこなっているのです(下図参照)。

   私の質問に、安住淳財務大臣は、「大変、残念なことだ」と怒りをしめし、野田首相も、「公平性、中立性の観点から、(つぎは)元の20%に戻すべきだと思う」と答弁しました。

   裏でちゃっかり、こんなことをしていて、稲盛さん、よくもまぁ、「利他」なんて本が出せたものです。




図