2012年2月27日月曜日

乱読のすすめ47-「北の国から」-2011「つなみ」


蛍(中島朋子さん)










   2月18日、札幌で「さようなら原発1000万人アクションIN北海道」がおこなわれました。その呼びかけ人の一人、脚本家の倉本聰さん。 人気テレビドラマだった「北の国から」の原作者です。
   「北の国から」シリーズは、2002年の「遺言 」で終わりましたが、倉本聰さんの頭の中では、ずっと物語は続いているそうです。タイトルは「北の国から」-2011「つなみ」。そのストーリーに魅かれました。
  文藝春秋の3月号に、倉本さんが『つなみ』のストーリーを特別寄稿しています。

   2004年から、蛍(中島朋子)と正吉(中澤佳仁)、息子の快の三人家族は、福島県浪江町に住んでいました。蛍は南相馬市立総合病院の看護師。正吉は浪江町の消防士です。
   3月11日、大津波。3月12日、福島第一原発爆発。人びとの救助にむかった消防士の正吉は行方不明に。
   3月14日、放射能飛散の危険をうけ、蛍のいる南相馬市立総合病院では、全職員をあつめ、病院に残るか、地方に避難するか各自の判断にまかせるという苦渋の決定を発表します。

   蛍は自分を頼っている患者を守るべきか、放射能から自分の子どもを守るべきか、選択を迫られます。そして当直明けの翌早朝、ベッドに眠っている患者の枕元に、握り飯二つをそっと置いて、誰にも告げず、息子の快と一緒に列車に飛び乗ります。行く先は富良野…。

   人間をするどく見つめながら、原発からの撤退をうったえる倉本聰さん。極限状況で人はどういう判断をすべきなのか、また次の生き方は? 2011「つなみ」を実際にテレビで見てみたいものだとおもいました。
  
倉本聰さん