2012年6月29日金曜日

東京新聞をみならえ










   水曜日のブログをみて、東京杉並区のWさんから、つぎのようなメールをいただきました。

   「本当に朝日新聞の転落ぶりは著しく、反面、東京新聞の活躍が目立ちます。先日、脱原発宣言のつどいがあり、福島の方のお話の中に取材にきたという東京新聞の記者の方の話がありました。原発関連の意思表示を明確にしているため広告が減っているが、信念にもとづいてこれからも記事を書いていく…と。会場いっぱいの拍手でした」

   そうなんです。東京新聞は、消費税問題でも国民の立場を忘れていない。

2012年6月27日水曜日

天に声あり、人をして語らしむ











   朝日新聞のコラム「天声人語」は、かつては名文が多く大学入試によく出題されるとのことで、受験生の頃よく読んだものでした。
   天声人語の意味は、「天に声あり、人をして語らしむ」とのこと。しかし最近は、ほんとうに「天の声」なのか、ただの大新聞の独善ではないのかと、首くびを傾(かし)げることが多い。

2012年6月25日月曜日

乱読のすすめ56-余生ではない新たな生へ

与謝野晶子
(1878-1942)











   “ やわ肌の あつき血汐にふれも見で さびしからずや 道を説く君 ”

   明治34年、女性の奔放な情感をうたいあげた与謝野晶子の歌集『みだれ髪』は、世の中に大きな衝撃をあたえました。

   近代以降の短歌に、はじめて「恋愛」を位置づけた『みだれ髪』。斎藤茂吉は『みだれ髪』を、「早熟の少女が早口にものいうごとき歌風であるけれども…みなこの歌集の出現に驚異の眼をみはったのである」と絶賛しています。
   なにが衝撃的なのか。それは、きれいごとではない、ありのままの生のすがたを表現したからでしょう。

   その斎藤茂吉も、晩年の歌集『つきかげ』で、それまであまり歌に詠まれなかった老人のありのままのすがた、おもいを歌にしました。
   “ 欠伸(あくび)すれば 傍にいる孫真似す 欠伸というは善なりや悪か ”

   老いてますます伸びやかに、余生ではない新たな生へ…小高賢「老いの歌」(岩波新書)は、短歌をとおし、高齢化時代の生き方をかんがえます。

2012年6月22日金曜日

じじ放談11-信念やないで、おんねんやで

じじん党乙川議員とみんし党甲山議員








   じじん党・乙川議員
   「やあ、甲山議員。ワシの新しい選挙ポスター見て見て、なかなかええやろ 」
  みんし党・甲山議員
   「ほう、えらい若う、写ってるな」

2012年6月18日月曜日

絵本のすすめ44-カラス笛を吹いた日











   作家ロイス・ローリーが、多感な少女時代の自分と父との思い出を、詩情ゆたかに描きだします。

   だぶだぶのウールのシャツの下で膝をかかえこんで、リズは小さな声でささやいてみる。
   「父さん、父さん。」
   父さんって言うのは初めてみたい。
   戦争に行って、長い間、家にいなかった父。
   「父さん。」と、気軽に呼びかけることさえできない娘。
   そんなふたりはいっしょにカラス狩りにでかけます。
   リズはカラスを呼ぶカラス笛をもって、そして、父は、銃をもって―

2012年6月15日金曜日

絵本のすすめ43-はせがわくん きらいや















   ぼくは、はせがわくんがきらいです。はせがわくんと、いたら、おもしろくないです。なにしてもへたやし、かっこわるいです。はなたらすし、はあ、がたがたやし、てえとあしひょろひょろやし、めえどこむいとるかわからへん…。

   長谷川集平作「はせがわくんきらいや」(復刊ドットコム)は、昭和30年ころにおきた「森永ヒ素ミルク事件」を題材に、作者自身の実体験もまじえた絵本です。

2012年6月12日火曜日

絵本のすすめ42-ドオン!












    山下洋輔・文、長新太・絵の「ドオン!」(福音館書店)は、人間はけんかするより共鳴したほうが楽しいぞ、という明るいおはなし。

   オニの子ドンも、にんげんの子こうちゃんも、たいへんないたずらもの。
   あまりのひどさに、ふたりともおとうさんに「でていけ!」と、家をおいだされます…。

2012年6月11日月曜日

乱読のすすめ55-破局の悪夢②

映画「ソフイーの選択」









   大澤真幸さんの「夢よりも深い覚醒」(岩波新書)には、映画「ソフィーの選択」(1982年)の話がでてきます。
   ポーランド人でレジスタンスの活動家とつながりのあったソフィー(メリル・ストリープ)は、ナチスに逮捕され、二人の子どもとともにアウシュヴィッツの収容所に送られます。
   彼女はそこで、ナチスの将校に「二人の子どもにうちどちらか一人だけ生かしてやるから、選べ」と迫られます。選ばれなかった子どもはガス室におくられるのです。

2012年6月8日金曜日

乱読のすすめ55-破局の悪夢①

大澤真幸さん


   「核には反対だが賛成だ」―そんな矛盾した論理構造が、原発だらけの日本をつくり、事故後も脱原発に踏み切れないというていたらくを招いているのでは…社会学者、大澤真幸さんの新著「夢よりも深い覚醒へ―3・11以降の哲学」(岩波新書)は、日本人の倫理性という角度から鋭く問いかけます。

2012年6月7日木曜日

じじ放談10-計算どおりにはいかへんで


乙松(左)と甲太郎(右)







甲太郎
「乙さん、なんやそこの黒猫は?」
乙松
「これが福笑いちゃんの夫で、福太郎の父親のゴンベエやがな。下町に出稼ぎに行ってたんやけど、やっと帰ってきたんや」
甲太郎
「ほう、あどけない父親やなあ」

ゴンベエくん


 




2012年6月4日月曜日

「政治劇」の観客は

スカイツリーとお月さま
6月3日 墨田川にて















   きょう、野田総理が内閣改造を発表し、前田国交大臣、田中防衛大臣を交代させました。「機能強化」「適材適所」だとか空々しい言葉を記者会見でならべましたが、なんのことはない、2大臣を辞めさせなければ審議を拒否するという自民党に譲歩したもので、自民党と消費税増税法案の「修正協議」をすすめるための「環境整備」がねらいです。
   一方、野田政権が自民党にすり寄ればすり寄るほど、小沢グループとの溝が深まり、民主党分裂の危機をまねくという矛盾が…。

   先月、ある経済懇談会で参加者の方が、「テレビや新聞をみていると、野田、谷垣、小沢の三人で政治を動かしているみたいだ」といわれました。
   たしかにマスコミが連日、報道しているのは、三人の「政治劇」ばかり。しかも中身は「三角関係」とか「二股」とか、芸能ニュース以下の水準。
   しかし、政治を動かしているのは、ほんとうにあんな色黒三人組なのでしょうか。…