2012年7月15日日曜日

絵本のすすめ47-ごえんがあったらまたね












   人と人とが友だちになったきっかけを思うと、本当に不思議。
   佐野洋子さんの「さかな1ぴきなまのまま」(フレーベル社)は、友だちをさがしに旅にでるねこのおはなしです。けっきょく、友だちになったのは、あまり好きでなかったへびさんでした。

   佐野さんの「あとがき」も、すてきです。

    “ わたしは、ひろちゃんが、だいきらいでした。あんまり色が真っ黒で、あでこなんかじゃがいもみたいで、鉛筆を鼻の穴につっこむ競争で(ひとつの穴に三本も入れられるのはひろちゃんだけだったのです)六本の鉛筆をぶらさげたまま、教室を歩きまわって、そのまま教壇に立たされたりしていました。…わたしは毎日毎日ひろちゃんと遊んで、毎日毎日けんかをしていました。”


   “ ある時、砂場に、ひろちゃんは、わたしのボールを埋めてしまいました。わたしが砂だらけになって掘り返しても、ボールは出てきませんでした。…”

   “ 今、遠い町の小さな砂場に大事な宝物がかくされたままになっていることが、アリババの宝物にもわたしにはかえがたいことです。時をともに分かち合うことが友情だと思う時、たくさんの思い出を贈ってくれたひろちゃんにわたしはどんなに感謝していることでしょう ”