2013年4月20日土曜日

絵本のすすめ61-豹変する日銀マン…いまたいせつなことは













   「財政規律の緩みや日銀の資産劣化を憂い、日銀より日銀らしいと一目おかれる論客が共産党の大門実紀史だ」(日経新聞4月14日朝刊)
   かなしいかな、いまや「日銀より日銀らしい」が、ほめ言葉になってしまいました。

 わたしが日銀の財政規律の緩みや資産劣化を憂うのは、それが経済全体や国民のくらしに被害をおよぼす危険性が高いからです。

   黒田日銀のように、中央銀行がどんどんお札を発行して野放図に国の借金を引き受けていくと、やがて国債の信用が低下して売れなくなっていきます。
   ⇒そうなると、国債の利回りを高くして売るしかありません。そこで国債の価格が下落した分、利回りを高くします。
   ⇒しかし、国債の利回りは世の中の金利のモノサシになっています。したがって、国債の利回りがあがれば、住宅ローンや企業への貸し出しなど世の中全体の金利もあがり、人々の生活は苦しくなって不景気になります。
   ⇒同時に、国債の利回りが高くなれば、国が支払う利払いが増えて、ますます財政が苦しくなり、社会保障の切り捨てや増税などで国民のくらしが圧迫されます。
   ⇒また、国債の価格が急落すると、国債をたくさんもっている銀行が大損失をだし、金融パニックを起こしかねません。
 
   …こういう一連のことが起きないように、警鐘を鳴らしてきたのです。

   もともと日銀のスタッフにも、危機管理意識はありました。ところが、どういうわけか、黒田総裁になったとたん、みごとに「豹変」。いまや、みんな「ミニ黒田」となって、ギャンブルのような「異次元緩和」を真面目な顔で説明にまわっています。恥ずかしくないのでしょうか。
 いやいや、日銀マンといえど、サラリーマン。いくらおかしな社長でも、生活するためには従うしかないと内心葛藤しているのかもしれません。
 けれども日銀はただの一企業ではない。日本経済と国民のくらしを左右する重要な機関です。

 苦しい立場にある日銀マンに贈りたい絵本が、マーガレット・ワイズ・ブラウンの名作「たいせつなこと」(フレーベル館)。
   一度の人生、勇気とこころの余裕をもってほしい。














  ひなぎくはしろい まんなかが きいろく ながくて しろい はなびらには
  はちが ちょこんと すわり なんだか くすぐったい かおりが して
  ひろい みどりの そうげんに よりそい ささやきあっている
  でも ひなぎくに とって たいせつなのは しろく あること

  あめは うるおす あめは そらから おちてきて しとしと ざぱざぱ 
  おとがして いろんな ものを つやつやに かがやかせ どんな あじにも
  にてなくて くうきと おんなじ いろを している でも あめにとって 
  たいせつなのは みずみずしく うるおす ということ

  あなたは あなた あかちゃんだった あなたは からだと こころを
  ふくらませ ちいさな いちにんまえに なりました そして さらに 
  あらゆることを あじわって おおきな おとこのひとや おんなのひとに 
  なるのでしょう でも あなたにとって たいせつなのは 
  あなたが あなたで あること


    ※いつも、つたないブログをご覧いただき、ありがとうございます。
   週明けより5月なかばまで、参議院予算委員会が開催されます。
   担当委員のため、まちの公園に昼顔の花が咲きはじめるころまで、
   本ブログはお休みさせていただきます。
   お元気で。